副会長挨拶
私は昭和43年に東京医大を卒業して直ぐ産婦人科医局に入りました。当時、産婦人科医局は、腫瘍、不妊、胎盤、中毒症と4つの勢力に分かれていて、入局した私達はどこに入るのか、どうすればいいのか、かなり悩んだことを覚えています。結局主任教授の怠慢で新入医局員の教育カリキュラムがなく、私は胎盤の研究班に入ったため、不妊や腫瘍のことがわからず、開業してから苦労しました。今では考えられない、卒後教育を受けなかった医局生活でした。秋谷教授時代から少しづつ4つの研究班が崩壊、融和し髙山教授時代にはほぼまとまった医局となりました。述懐するにこの流れの本流は、胎盤研究を中心としていた相馬先生にあったようです。結果的に吉田啓治教授から髙山教授以後、井坂教授、そして西教授へと相馬門下生が続いたのです。時代は変わり、卒前教育が臨床中心となり卒後教育、初期研修、後期研修等質の高い高度な臨床能力が医師全員に課せられるようになり、私のような落ちこぼれ医師が生まれる余地はなくなりました(笑)
今や東京医大の優秀な学生、優秀な若手医師に突き上げられ東京医大がどんどん成長しているように感じています。
この急成長する東京医大の産婦人科医局を受け持つ西教授の多角的センスは、かつてない特異なリーダーとしてミラーボールのような輝きを撒き散らす不思議な能力を持っており、近未来を見据えた指導者になってくれるものと大いに期待しています。
教授就任式の長唄? 小唄? には参りました。
副会長 赤枝 恒雄